2024.03.26 その他
山口市の事業者及び就労者を対象とした「公共交通に関するアンケート調査結果」について
山口商工会議所会員事業所に勤務されている山口市在住の会社役員・代表者及び従業員の方々の公共交通の利用実態を把握し、課題解決に向けた取組を通じて、公共交通の利用促進・維持・発展に資するため、「公共交通に関するアンケート調査」を2回実施しました。
【第1回調査】(調査期間:令和5年8月17日~9月1日)
1回目の調査では、公共交通の利用実態について調査しましたが、公共交通機関の便利さについて「満足・まあ満足」と回答された方が全体で22%に留まりました。その要因として、鉄道と路線バス共に「運行本数が少ない」が最も多く、「利用したい時間帯に運行していない」「運賃が高い」「駅・停留所まで遠い」などが挙げられました。
また、「外出時の移動手段」として8割以上の方が「自家用車」を選択していますが、「今後運転できなくなった場合の移動手段に不安を覚える方」が8割以上、「運転が不安になった場合の鉄道・バス利用意向」についても8割以上の方が「利用しようと思う」との回答があり、調査の結果、公共交通の維持が山口市全体の重要課題であることがわかりました。
ポイント
・JR、路線バスともに利用促進には運行本数や運賃が課題となる。
・運転ができなくなった場合の移動手段に不安を覚える方は多く、公共交通の維持は地域全体で取り組んでいく必要がある。
◆詳細についてはこちらから > 「第1回調査結果」
【第2回追加調査】(実施日:令和6年1月19日~2月5日)
2回目の追加調査では、1回目調査の結果を踏まえ、仮に公共交通で通勤する場合の手段やルート、各施策が利用の動機となり得るかについて深掘りを行いました。
調査の結果、約3割の方が「JR山口線」、約4割の方が「路線バス」を通勤手段として選択し、どちらも1時間に3~4本の便数希望がありました。(現行は1~2本)
また、路線バスが「市内の一定エリアで定額運賃」になった場合は7割以上の方から「利用したい」との回答がありました。
山口市が実施するノーマイカーデーでは、8割以上の方が「参加したことがない」と回答しており、仮に公共交通を利用した際に現状の特典サービスがあったとしても、約半数の方が「利用する動機にならない」と回答をしています。
また、「新駅の設置」をした場合、今より山口線を利用したいとの回答は2割を切っており、国道9号線に「新路線バス」を運行した場合、今より路線バスを利用したいとの回答は、3割を超えました。
新しい交通体系である「ライドシェア」については、6割の方が「知っている」と回答し、「タクシーサービスが行き届いていない交通空白地では効果的だ」という意見が3割程ある一方で、「料金負担」「ドライバーとのトラブル」「防犯が心配」などの意見もみられました。
ポイント
・新駅の設置利用希望は2割を切っており、国道9号線の新路線バスの運行利用希望は全体の3割だったが、その中で小郡地区在住の4割の方から利用希望があった。
・ライドシェアについては効果的という意見がある一方で、不安や課題の意見も多くあった。
◆詳細についてはこちらから > 「第2回調査結果(追加調査)」
まとめ
・第1回調査の最終項目「公共交通を維持するための望ましいと思う方法」にてもっとも高い回答は「既存の税金の使い道を変えることで不足分を補う」が50%を超えており、今後、山口市が持続可能なまちであるためにも、公共交通に関する整備については、しっかりとした検証のもとで施策を決めていく必要があると思います。
・人口減少問題は地域だけで解決できるものではありませんが、山口市の将来を考え、本当に必要な施策は何かを見極めていきましょう。