山口商工会議所

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2024.01.01 その他

[2024年頭所感]会頭挨拶『今こそコンパクトシティへ』

皆様、新年あけましておめでとうございます。令和6年がスタートし、会員の皆様にとって期待と希望に満ちた素晴らしい年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

昨年は、新型コロナウイルスの感染症分類が5類に引き下げられ、経済が再始動する兆しを見せるものと期待していましたが、原油高や物価高の影響が中小企業や小規模事業者にとって重くのしかかり、また、人材確保から防衛的な賃上げを求められた事業者も多く、売上は若干伸びたものの、その経営実態は非常に厳しい結果となりました。コロナ禍における経済の減速は、公共交通の運営者であるタクシーやバス業界にも影響を与え、需要減とともに業界から離れる人材が相次ぎました。経済が動き出した今、タクシーやバスの運転手が大幅に減少し、夜間にはタクシーを呼んでも来ないという状況が全国的な問題となりました。山口市でも同様です。こうした状況を受けて、政府や国会では『ライドシェア』など新しい制度の導入について広範な議論が始まっています。山口商工会議所もこのタクシー不足の問題に真摯に向き合い、地域の発展と共に新しい解決策を模索する必要性を強く感じています。事業者と協力して新しい運行モデルを提案し、地域社会における交通インフラの維持向上に皆で協力しあう意識改革も不可欠だと考えています。

全国の自治体の中では、郊外での住宅建設を制限する方針を表明する自治体が徐々に増えています。市街地が無秩序に広がるのを抑えるのが狙いです。いわゆるコンパクトシティ実現のために、交通施策と土地利用施策を一体的に、整合性をもって進めていこうという事です。一旦広がってしまった市街地を中心部に再集約していく事は、簡単な事ではありません。山口商工会議所でも15年以上前からコンパクトシティの実現に向け、政策研究や提言活動を行ってきました。人口減社会が進む中、『街中居住の推進』は持続可能な社会の為に極めて重要な施策です。人口の集積度が高まれば、行政機能や医療機関、学校、文化施設、商業施設などがコンパクトにまとまり、効率的な都市構造が生まれます。これにより、市民はより快適かつ充実した生活を享受できることでしょう。

2023年度は「SDGsはオール山口から」を掲げ、山口市内全域での経済循環を推進して参りました。少しずつ成果が出始めています。2024年度においてはこの取り組みを進めつつ、本丸である「コンパクトシティの実現」に向け、オール山口全体での行動が必要だと考えます。山口都市核、小郡都市核を中心とする街中居住を推進する事は、山口市全体の発展に寄与し、持続可能な社会を実現する上で不可欠なものと考えます。

今年も、山口商工会議所は地域社会の課題に真摯に向き合い、コンパクトシティの実現に向け行動を起こして参ります。皆様のご理解とご協力を賜りながら、より良い未来を共に築いていきましょう。本年も一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

山口商工会議所  会頭 河野康志

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